SaraSHIGE BOOK

方向示し続ける僕のノート

加藤シゲアキ『あやめ』と多角的な愛

わたしにとって、アイドルのソロ曲は「分析してなんぼ」。


観て聴いた時に抱いた印象を記録しつつ、背景にある美術、音楽、文章を調べたり、その意図を探ることに楽しさを感じています。


コンサート会場から家に帰り、ゆっくりとパフォーマンスを思い出して、分析するのが、何よりも楽しい時間なのです。



アイドルは曲の中で、様々な恋愛を歌います。片思い、叶わない恋、許されない恋、柔らかな愛情、壊したくなるほどの深い愛……アイドルファンを始めてまだ5年ほどですが、今まで聴いてきたラブソングは、数え切れないほど多くあります。


ですが、わたしは今まで、愛を歌った曲を聴いてもいまいちピンと来ることがありませんでした。共感することが出来ないのです。


きっと人として何かが欠けてるんだろうなぁ、とか、自分の恋愛がマイノリティであるからかなぁ、などと思っていました。




〜ここから少しだけネタバレしますので注意です〜




さて。先日、わたしはNEWSのライブツアーNEVERLAND札幌公演に行きました。


タイトルにもあるように、特に印象的だったのは、加藤シゲアキのソロ曲『あやめ』でした。


彼が多角的な愛について考えて書いた曲ではあるものの、まっすぐなラブソング、とは言い難いですが、結果的には、わたしはこの曲を通して、初めて曲に深く共感する、という経験をすることになりました。



本題からは少し逸れますが、ドラマの主題歌として、キャッチーなダンスとともに注目を集めた星野源の『恋』もまた、多角的な愛を歌った曲であるとわたしは考えています。


夫婦を超えてゆけ

二人を超えてゆけ

一人を超えてゆけ


このフレーズに込められたのは、ドラマで取り上げられた契約結婚だけでなく、同性、異性、年齢の差、全ての多様な恋愛の形を取り込み、誰にでも合う、共感できる形であったのではないか、と思うのです。



個人的な話ですが、わたしはざっくり言えばLGBTのBにあたる両性愛者です(でも、恋愛感情を抱くのはほぼ女性なので、もしかしたら同性愛者なのかもしれません。まあそこはどうでも良いのですが……)


そんなこともあり、典型的な男女の恋愛に共感できないことが多かったように感じます。


『あやめ』を初めて観た時、じんわりと何かが染み込んでいくような、不思議な感覚になりました。深く感動するというよりは、緊張の方が近いように思います。


このなんとも言えない緊張は、決して不快なものではありませんでしたが、彼がレインボーフラッグを手にした瞬間には、やはりどきりとしました。



マジかぁ!そういうことかぁ!って。

一人でちょっと泣きそうになってしまって(語彙力)



真っ白な可動式のリフターの上に登って、渡る彼も「虹を歩いて」いて、その道に色をつけるのが、手の中にあるレインボーフラッグ。


普段、自分の感情を押し込めて過ごすことが多いので、こんなに感動してしまったこと自体が驚きでした。


『NEWSな2人』をはじめ、近年はLGBTという言葉がメディアで取り上げられることが増えました。わたしがカミングアウトしたきっかけもその番組で、当時ツイッターでお話ししていた方に話を聞いてもらったことで色々と整理できた部分もあり、すごく救われた記憶があります。


そんなこともあって、加藤シゲアキが取材などを通して知ったことを一つの作品に昇華させたことに、深く感動し、また、その詞にも共感しました。自分の頭の中を覗かれているのではないか、と思うくらい、リアルに感じるところもありました。


直接的な表現はほとんど無い分、少しずつ深めていけばその意図をより感じられるのではないか、と思い、芸術の勉強をしたり、聴き直したり、歌詞とにらめっこしたりしています。今はただただ、ダンスの知識が欲しいです。あと映像も欲しいです……だいぶ忘れつつあるので……。


分からない部分も、まだまだ考えたい部分もも多々ありますが……。

加藤シゲアキの『あやめ』はわたしに大きな勇気を与えてくれました。

その巡り合わせに感謝し、自分の愛にも少しは目を向けて、向き合ってみようと思いました。



シゲー!ありがとーーー!